養徳園は子どもたちのものだ
社会福祉法人養徳園 理事長・総合施設長
福田雅章
福田雅章が社会福祉法人養徳園の理事長に就任いたしました。
これからも子どもの福祉の向上のために
精一杯努力する覚悟ですので、
従前同様のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
さて、養徳園は、戦後のベビーブームを経て、
敗戦の傷がまだ十分には癒えていない昭和32年11月26日に、
6名の子どもをお預かりしたことに始まります。
以来、入所措置や一時保護を合わせて、
1000名を超える児童の養育にあたってきました。
私は、昭和41年5月に152番目の子どもとして入所しました。
当時の養徳園は定員40名で居室は4部屋、
一部屋に10名の子どもが
押しあいへしあいの生活をしていました。
大学卒業後中学校の教員になった私は、
創設者の野沢益治先生から「中学の先生をやるのなら
この仕事をやってくれないか」と請われました。
その際、益治先生はこう付け加えました。
「養徳園は子どもたちのものだ。
養徳園で養育を受けた子どもに後(あと)をやってほしい」。
私は益治先生の理念に心を打たれ、
後継を引き受けることにしました。
10年間の中学教員を経て、
養徳園に奉職したのが平成5年4月。
当時の入所児童はわずか20名。バブルもあり
平成の初めは施設に入所する子どもが減った頃で、
「養護施設の戦後の役割は終わった」 とも言われました。
養徳園の未来を託された私は、入所児童の少なさ、
そして児童福祉の貧困さに、
ひとり荒野に立たされた思いでした。
その後、児童虐待の顕在化もあって入所児童数は増え、
平成19年にはさくら市が運営していた氏家養護園を譲り受け、
法人として合わせて90名の子どもを受け入れる規模となりました。
児童養護施設は今、小規模化·地域分散化の流れの中にありますが、
法人としていち早くこれに取り組み、養徳園では現在は
50名の子どもが8つのグループに、氏家養護園では40名が
7つのグループに分かれて生活しています。
これからの社会福祉法人養徳園は、
2つの重要課題に取り組んでいきたいと思います。
ひとつは養育の質の向上です。
今日施設にやってくる子どもは
虐待の影響から情緒面に複雑な課題を抱えています。
求められているのは、生活のいとなみを大切にし、
子ども個々のニーズに丁寧に応えていく養育です。
家庭の養育力の低下が叫ばれる中、地域社会に対しても
「養育のモデルを示せるような水準」を
目指していきたいと思います。
次に地域の子育て支援への参画です。
平成27年に県内初の
児童家庭支援センター(ちゅうりっぷ)を開設し、
現在、17の市町と子育て短期支援事業
(ショートステイ、トワイライトステイ)の契約を結び、
また7つの市町の要保護児童対策地域協議会に参加するなど、
子育てに困難を抱えた家庭に対する
保護者支援を下支えしています。
さらに、平成29年からはさくら市から
南小学童保育センターの運営を委託されたことを機に、
子ども食堂をスタートさせるなど、
地域の子育て支援の一翼を担うようになり、
地域からは「養徳園があってよかった」 との声が
聞かれるようになってきました。
養徳園が抱える人材は、
子どもへの熱い思いと高い専門性を備え、
24時間、365日、休むことなく
子どもの養育にあたっています。
養徳園では、数多の子どもたちを育て
自立までのプロセスを見守り、
大きな困難を抱える親たちを支援してきました。
これからも、 施設がもつ機能と、
長きにわたって培ってきたノウハウを
すべての子どもの福祉のために
活かしていきたいと思います。
最後に、これからも我が養徳園にご支援、
ご鞭撻いただけますよう
心よりお願い申し上げまして
ごあいさつとさせていただきます。
(令和5年11月)
法人名 | 社会福祉法人 養徳園 |
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設立 | 昭和32年11月 |
所在地 | 栃木県さくら市喜連川1025 |
理事長 | 福田雅章 |
総合施設長 | 福田雅章 |
TEL | 028-686-2239 |
FAX | 028-686-2595 |
yohtokuen@nifty.com | |
事業内容 |
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健全育成をめざして
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